一泊二日で白山周辺を歩いた。
泊まったのは白山市の御前荘という温泉宿。
築40年以上の無機質な鉄筋コンクリートの建物。
若い頃に泊まった国民宿舎を思い出した。
一泊二食で7000円と安いので文句は言えない。
それでもすべすべするアルカリ性の湯はよかったし、期待してなかったせいか夕食も美味しかった。
貧乏くさいけど、元はとれたな、と思った。
朝、大浴場へ行って感動した。
アルミサッシの窓枠が一枚の画のようだった。
右側の窓には白山連峰が見えた。
朝食の温泉粥も美味だった。
そういえば…晩秋の平日なのに10人以上の客があった。
宿のある場所は日本有数の豪雪地帯で、
僕が学生の頃、合併される前は白峰村と呼ばれていた。
しらみねむら、美しい響きの美しい村でした。
…巨木の森を歩く。
白山山麓のチブリ尾根へ続く登山道を⒉時間ほど歩きました。
日本有数のブナ林、ミズナラやカツラなどの巨木の森。
この季節に森を歩くのはめったになく新鮮でした。
花も無く紅葉も終わり、色彩には乏しい森でしたが、他の登山者には誰一人会わず、静かな山歩きが出来て、
晩秋の山は味わいがある。
足元に敷き詰められた落ち葉がふかふかで気持ちいい。
串田孫一という作家の文章を思い出しました。
何に逆らうこともなく、素直に誠実に、
ひっそりと生きる木々が
今は冬の仕度を済ませて穏やかな陽射しに立っている。
木々は不要なものとして、
その億万の葉を棄てたわけではない。
風に托して大地に返した。
(串田孫一 『鳥と語る夢』より)
福井への帰路に立ち寄った西山からの眺め。
白山は今シーズン二度冠雪したとのことだが今は消えてしまった。
今月一日の富山マラソンで見た剱立山連峰は雪化粧していたので期待したのだが…。
積もったり消えたりして根雪になっていくのだ。