『福島の特別な夏』#18がアップされた。
http://www.1101.com/fukushima/2011-08-25.html
野球は「祈れるスポーツ」であるということが書かれている。
本文より引く。
スポーツのなかで
とりわけ野球が好きな理由はなんだろうとよく考える。
個人的な結論のひとつは、
野球が「祈れるスポーツ」だということである。
野球では、しばしばプレイが止まる。
一球一球のまえに、選手だけでなく観客にとっても
集中をうながすインターバルがある。
そこで、観る側は、
こうなってくれ、と祈ることができる。
ほかのスポーツでもできなくはないけれど、
こんなに細かく、具体的に、随所で、
こうなってくれと祈れるポイントのあるスポーツは
野球以外にそんなにはないとぼくは思う。
そのとき、「祈り」は、
具体的であれば具体的であるほどいい。
たとえば、「勝て」よりも、
「打て」のほうが観る側を高める。
「打て」よりも「初球を引っ張れ」のほうが
より祈りは具体的で、
しかもその結果はいちいち祈った直後に出る。
結果を受けて、観る側はまた新しく具体的に祈る。
そのように祈りながら、試合は終わりへ近づいていく。
終わりが近づくことで、祈りはより具体的になっていく。
それが、ぼくにとっての野球を観るおもしろさだ。
(『福島の特別な夏』#18より)
日常においても、僕らは意識して、あるいは無意識に何かを祈っている。
具体的に何かが起こったり、何かが起こらないように。
より具体的であることは、より意識的であることは、大切なことだと教えてもらった。
でも、福島については、具体的に祈ることが難しい。
思えば、この夏がはじまるまえに、
ぼくはそんなふうに思っていたのだと思う。
けれども、いま、少し、ぼくは違う。
ぼくは、この連載をはじめるときよりも、
わずかであるけれども、
具体的に祈れるようになっている。
たとえばぼくは、
「先頭打者、出ろ」と祈るように、
飯舘村で保護した「むすぶ」の
首の傷が癒えればいいなと思っている。
たとえばぼくは、
「きっちり送れ」と祈るように、
あの切ない洗濯物が取り込まれればいいなと思っている。
たとえばぼくは、
「スクイズっぽいから外したほうがいい」と祈るように、
急に散り散りになってしまったクラスメートたちが
同じ場所で同じ時間を過ごせるように
なればいいのにと思っている。
(『福島の特別な夏』#18より抜粋)
たとえば僕は、佐々木さんが5月に植えた苗が台風や冷害にも遭わず、
放射線も基準値を超えず無事収穫出来て、10月、僕の食卓にやってくることを祈っている。
永田さんの感性や写真のセンスに嫉妬さえする。
この夏、この連載が読めたことに感謝します。
…明日から女子バスケの五輪予選の仕事で長崎出張。
チケットを買いに行くと早朝6時台から7時台の九州方面新幹線が軒並み満席とのこと。
自由席で博多まで行くことにする。新大阪始発だから何とかなるだろう。
午後からヨドバシ梅田〜ソフマップ〜旭屋書店〜ふたたびヨドバシ梅田と周回。
ヨドバシでばあばあ用のポータブルDVDプレーヤーを購入。
ソフマップでiPad2を購入!
iPadは3年保証延長のソフマップワランティが効かないらしく初めてAppleCareに入る。
曾根崎の旭屋書店へ久々に行く。
なんだか懐かしい。
昔はここをよく待ち合わせ場所にしたものだ。
コミックを4冊購入す。
『海街 Daialy4』と『球場ラヴァーズ』を3巻。
海街diary 4 帰れない ふたり(flowers コミックス)
- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/08/10
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球場ラヴァーズー私が野球に行く理由ー 01 (ヤングキングコミックス)
- 作者: 石田敦子
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2010/08/23
- メディア: コミック
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…夜、病院帰りのヒロとドキュメンタリーを見る。
NHKヒューマンドキュメンタリー『登山一万回の約束〜認知症を抱える夫婦の記録〜』
以前、「にんげんドキュメント」として放送してた枠だろうか。
二人でぽつぽつと言葉を交わしながら、最後まで見入ってしまった。
登山好きの老夫婦はそのまま僕らと重なる。
大阪と奈良の間に広がる金剛山。
この山に重い認知症を抱えながら毎日登り続ける70代の夫婦がいる。
大阪・河内長野市に住む富岡廣志さんと節子さんだ。
節子さんは家事も身の回りのことも一切できなくなり、
近所を歩き回るなど、夫のつきっきりの介護が必要になっている。
認知症で一変した2人の生活だが、変わらないことが一つだけある。
30年間、二人で続けてきた金剛山への登山だ。
体力を維持することで寝たきりになるのを防ぎ、症状の進行を遅らせたい。
四季の変化を感じながら登ることで夫婦の会話を増やし、刺激を与えたい……。
全て、妻が妻らしくあってほしいという夫の願いからだ。
目標にしているのは二人合わせての登山1万回。
節子さんの意思がまだはっきりしていた頃に交わした約束だ。
しかし、最近では症状が進んで節子さんは感情を抑えることができなくなり、
登るのを嫌がることも増えている。山登りを止めてしまえば体力は衰え、
さらに症状が進んでしまう。どうすれば妻が妻らしく生きられるのか。
廣志さんは悩みながらも節子さんを励まし、夫婦の約束を果たしたいと考えている。
山登りを通して認知症を乗り越えようとする夫婦の1年余を記録した。
(NHK番組WEBページの解説より)
ヒロが病気になったら僕はこのダンナさんのように覚悟を決めることが出来るだろうか。
70代の老夫婦が子供のように手を繋いで歌いながら山を登っていく。
ヒロシ(!)さんが歌う。
♪ 節子のつけた足あとにゃ きれいな花が咲くでしょう
1万回の登頂を果たした日、金剛山の頂上でヒロシさんが言う。
「また明日も山に連れてきてくれる?」
嗚咽しそうになる。