09/7/4 えきまえ寄席25周年@東淀川

     


雨上がりの朝、今日も梅雨の晴れ間か。
涼しいのに甘えて少しずつ起床時間が遅くなる。
9時過ぎに走っても吹く風が涼しいので暑くない。
iPod葉加瀬太郎の『Sally Garden Set 』を聞く。
セットとはおそらく(想像ですが)、エアー(歌)とダンス曲が組になっていること。
まずヴァイオリンが主旋律をゆったりと奏でる。
次にテンポが4分の3拍子になってダンス音楽(ワルツ)になる。
さらにテンポアップしてアイリッシュ的熱狂の早弾きとなり絶頂で終わる。
いいなあ、これ。


ダンス音楽の旋律をティン・ウィッスルで吹いてみる。
かなり早吹きになるが…いけるかも?


朝食後、注文しておいたティン・ウィッスルが届く。
今使っているウォルトン社のD管、ブラックの管に吹き口がクリーム色。
お、これは何かに似ているぞ、と思ったらパッケージにギネス社のロゴが入っている。
ギネスのお土産みたいなものだろうか。
ダブリンの土産物屋に売ってそうだ。
20曲くらいの楽譜がついている。
「ダニーボーイ」や「Auld Lang Syne(蛍の光)」、「ミンストレル・ボーイ」もある。
「The Trout」なんてのもある。
シューベルトの「鱒(ます)」だ。

    

…今日はヒロと落語に行く。
彼女も常連の『上新庄えきまえ寄席』という落語会の25周年記念イベントだ。
メンバー勢揃いだから、いつもの神社ではなく淡路にある「クレオ大阪北」というホール。
阪急淡路駅から徒歩10分くらいだ。


開演まで少し時間がある。
10分ほど並んで入る。
屋外で待たされたと怒鳴る始めるじいさんがいる。
こんな暑いとこで待たされて倒れたらどないしてくれるんじゃ、だそうな。
年寄りは我慢がきかないよなあ。
それにホールの周りは緑が多くて風が気持ちくて、そんなに暑くない。
第一、このイベント自体がボランティアのスタッフでやってんのになあ。
出演者も10人以上なのにチケットは2000円なんだよ。
相手を見て言わないと。
文句言ったもん勝ちの風潮はこの国の風土になじまない。
和をもって尊しとなす。


定員400くらいのホールがほぼ八割の入り。
演目を見ると、落語が8席、踊りが1舞(?)、漫才が一席、浪曲が一席。
盛りだくさんの4時間だ。
25周年記念だ。
ヒロは二十代の頃からこの「えきまえ寄席」に通い続けているのだ。
感慨もひとしおだろう。
常連さんや主催の人とも顔見知りで声をかけられている。


落語。
8席とも大ネタをしていたんでは客も疲れるだろうし、時間内に収まらない。
で、ほとんどが短い枕でネタはショートバージョン、つまり端折ってある。
たとえば『野ざらし』は武者の幽霊は出てこないまま終わる。
船弁慶』は橋のから鬼女房に見つかる前に終わる。
『鷺とり』は空に舞い上がったところで終わる。
なるほど、落語にはこういう短縮版もあったのかと初めて知る。
物足りないというのもあるが、なんせ8席だ、テンポはこれくらいが丁度いい。
光ったのはやっぱり桂文我、宗助、梅団治の3人。
2人ほど噺の最中にちょっと居眠りしてしまった。


浪曲
生まれて初めて浪曲というものを聞く。
二代目 京山幸枝若(こうしわか)という浪曲師。
三波春夫や村田英雄もかつては浪曲師だった。
掛川の宿』という演目。
これがけっこう感動してしまった。
何の知識もないので難しいのかな、と思っていたが全く問題なく話の筋は理解できた。
掛川の宿なのに、なぜか登場人物はみんな関西弁だ。
まあ、大衆芸能や、細かいことは言わんとき。
物語が盛り上がりここぞ、と言うときに三味線の合いの手が入る。
それまで地の語りだった浪曲師はやおらお茶を飲み、自慢のノドを聞かせる。
よ、幸枝若! 名調子! と声をかけたくなる上手い演出。
だけど、これも途中で終わってしまった。
その終わり方が、♪ ちょうど時間となりました と来た。
ああ、この名調子はこういうふうに使われるのかと得心がいく。
52歳にもなると今まで見向きもしなかった伝統芸能が染みこんでくる。
落語、浪曲、次は歌舞伎か。


漫才。
酒井くにおとおる、のベテラン兄弟漫才である。
知ってる人は知っている「とおるちゃん!」の漫才コンビである。
全く期待はしていなかったのだが涙が出るくらいに笑ってしまった。
特に弟とおるの自虐ボケがたまらない。
今風の10秒に何回ボケるかという速射ボケだ。
いやあ、やるじゃん。
前々からこの二人は関西弁がおかしいな、と思っていたが岩手の水上出身らしい。
事情があって流れ流れて上方へやってきたのだ。
兄のくにおは東京教育大学卒、もろ全共闘世代だ。
漫才の合間の「南部牛追い唄」、素晴らしいノドを披露する。


踊り。
桂三象さんである。
思いっきりイロモンである。
爆笑した。
笑わない人もいた。
僕は好きだけどなあ。
三象さんが出てくるだけで笑ってしまう。
何を言うかがわかっていても笑ってしまう。
存在自体が笑いである。


4時間で2000円、満足して帰る。


     



…落語終わりでばあばあの家に寄る。
市営住宅に一人暮らし、ばあばあは3月に81歳になった。
まだまだ元気で老人会の役をこなし、グランドゴルフで体を動かす。

焼きそばが食べたかったので近くのスーパーで材料を買っていく。
お造りをたくさん買っておいてくれた。
ほうれん草おひたしや金平も並び豪勢な食卓になる。
阪神ヤクルトの中継を見ながら缶ビールを一缶だけ飲む。
途中からテレビ大阪の土曜スペシャル。
テレビで旅をしながら寝転んで過ごす。

     
     


東淀川の市営住宅
ばあばあとヒロが二人で食卓に座っている。
母と娘、81歳と50歳。
たった10年前までこの母娘とは赤の他人だったんだ。
そう思うと不思議な感じがした。

     

…夜10時過ぎに帰宅。
ウインブルドン女子決勝はウイリアムス姉妹対決。
正直言うとつまらない決勝だ。
決勝を見るモチベーションが持てない。
どっちが勝ってもいい。
あえて楽しみたいと思えば姉妹のインサイドストーリーを知ればいいのだが。
そんな気にもなれない。