2011/12/30 50/50

♪ もういくつ寝るとお正月
この歌の作曲者が滝廉太郎だって知ってました?
♪ お正月には凧上げて独楽をまわして遊びましょ
廉太郎は23歳で夭逝した。
♪ 早く来い来い お正月
僕はまもなく廉太郎の倍近い数の新年を迎える。



…最近、西宮北口度が異様に高い。
『ステキな金縛り』『リアルスティール』『永遠のこども達』に続き、
今月に入って4度目のTOHOシネマズ西宮OSでの映画鑑賞、今日も夫婦50割引


一年の終わりに見て良かったあと思わせる映画に出会ったことに感謝。
後味爽快、心ほっこりのナイスムービーでした。


    27歳、生存率50%のガン宣告。
    友だち、家族、仕事、好きなひと…
    人生、あきらめるには早すぎる。


シアトルの港湾地区をジョギングする若い男。
早朝、一台も車の通らない道、信号を律儀に守りWALKに変わるのを待っている。
ラジオ局に勤めるアダムは酒、煙草もやらず、運転免許も持っていない。
そんな彼が突然、ガン宣告を受ける。
ただのガンではなく、筋繊維に巣くったやっかいなやつ。
彼は医者に言う。
「僕は酒も煙草もやらないし、エコを守ってきた。その僕がガン?」
キツイ抗がん剤治療が続く。
医師が言う。
「残念ながら抗がん剤が効いてません。癌が大きくなっています」


悲惨な展開なのに見る者を暗い気持ちにさせない。
僕なんかおかしくて何ヶ所か声を出して笑ってしまった。
難病ものでありながら、低俗に茶化さず、現実に目をそむけることなく笑わせる、
これはスゴ腕の演出だ。
今年読んだ『困ってるひと』(大野更紗)を思い出した。
(この本、マジでオススメです)


この映画は事実に基づいたストーリー。
主人公の友人役で出ているセス・ローゲンという俳優の実体験らしい。
このポスターに写っている人物だ。


ネタバレになるので詳しくは書かないけど、主人公のアダムや同棲中の恋人、
エロい友人や新米の女性セラピストの人物描写が上手い。
言動、行動、ディテールを見せて彼、彼女がどんな人間かを鮮やかに浮かび上がらせる。


想像してしまう。
僕が癌に冒されたとする。
5年生存率50パーセント、当然ながら動揺を隠せない。
まず心のケアが必要だ、と精神科医を紹介される。
訪ねるとその医師は若くてかわいい女性だった。
年齢を聞くと24歳で、実は研修医(on training)だと言う。
これから彼女にアドバイスをもらうのだ。
僕はそれをラッキーだと喜べるだろうか。
うーむ、ちょっと考えて、ラッキーだと思うだろうな。
ときめいてしまうかもしれない自分が不憫だ。


主人公のアダムはどう思うか。
悪くは思ってないものの不安は隠せない。
「研修中?」
「そう研修中」
「まさか僕が初めての患者?」
「いいえ、違います」
「2人目?」
「い、いいえ」
「3人目?」
「…。」
「そうか、3人目なんだ」


二人のやりとりが可笑しくて可笑しくて。
“くすぐったさ” がたまらんのです。


彼女、研修医のキャサリンはおそらくマニュアル通りなのだろう、
患者であるアダムと会話しながら腕や手をタッチする。
「わかるわ、アダム」
手を握り二の腕をとんとんと叩いたりする。
潔癖症でもあるアダムはそのわざとらしいスキンシップが耐えられない。
「触られるのは嫌い?」
「ああ、なんだかラッコにたたかれてるみたいだ」


ラッコというのが西海岸らしくて笑った。
ちなみにラッコはSea Otter と言う。
シーオタと聞こえる。


ことし2011年に映画館で見た映画はこれで24本目になる。
月に2本のペース、12月は5本だから駆け込みで数字を合わせたって感じ。
最後にこの映画を観に行こうと背中を押したのはこのブログのレビューだった。
「今度、パンケーキを焼いてあげる:映画『50/50』」
http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20111226/1324899355


  こんなに後味がさわやかな映画は珍しい。マイナー映画のつもりで見に行ったんだけど、
  案外お客さんが多く入っていたのは良くわかる。ボクはこの映画、大好きだ。
  今年見た映画で5本指に入る。
  せわしない年末に、穏やかで良い映画を見ることが出来て本当に良かった。


ストレートなおすすめに従って幸運でした。感謝します。
この世界はいつだって不公平です。
そもそも公平なんて現実にありえない。
我が身にふりかかる予想外の厄災はいつも突然だ。
人生は別件で決定されることが実に多い。
そんなとき、深呼吸して落ち着いて考える。
ちょっとした手間を惜しまず、人生と対する勇気と態度で、
世界は変わることもあるよって教えてくれたような気がします。
僕にそれが出来るかはこれも別件。


クライマックスの泣かせる台詞と紹介している「今度、パンケーキを焼いてあげる」
あ、そういうことね、と最後にくすりと笑ってしまいました。
僕もこの映画大好きです。
  


舞台はシアトル、字幕にシアトルという都市名は出てこないけど台詞にあった。
それに主人公のアダムが丸坊主になってかぶるキャップがマリナーズのオールドモデルだった。


シアトルが舞台になった映画は意外に多い。
風土や気候がアメリカ映画というより英国映画を思わせる。
最近の映画の病院のシーンには必ず中国系、韓国系のアジア人医師が登場する。
実際にも多いのだろう。


今日は初めてプレミアスクリーンで見た。
ビジネスクラスやグリーン席のようなリクライニングやミニテーブルがあるVIPなシート。
通常は2400円らしいが運用の都合だろう、今日に限って通常料金で僕らは1000円だった。
http://www.tohotheater.jp/theater/premier/index.html
やっぱり楽チンで見やすい。
映画も良かったのでトクした気分。



…映画終わりで2号線沿いの「西宮食堂」で夕食。
鶏牛蒡ごはんに熱々の豚汁、焼きたての卵焼き、
僕が焼いた、ヒロは煮た鯖、ひじき煮、小松菜煮びたし
この季節、豚汁が最高だ。
冬の森で熱々の豚汁が食べたい。
1月は雪山をスノーシューで歩きに行こうかな。



…先週に引き続き『手嶌葵ライブ』、今夜は@ビルボード大阪。
夫婦揃って人生初の追っかけ行為です。
6時半の1stステージに格安のカジュアルシートに並びの席がとれなかった。
ビルボードで初めての2ndステージ、夜9時半スタートだ。


一週間前のたつのアクアホールのリストからX'masソングを抜いて1時間半ほどのライブ。
みんなのうたの『エレファン』、竹内まりあの『元気を出して』がいい。
僕が彼女を知ったのはラジオ番組だった。
山下達郎の番組に竹内まりあが出演してて手嶌葵の『元気を出して』をかけた。
竹内まりあが「彼女の声が素敵なんです」と紹介した。
それがきっかけ、あと追いで『テルーの歌』や『虹』を知った。
今日もアンコールは拓郎の『流星』だった。
拍手が鳴り止まず、どうしようもなくなった彼女が「ストップ!」と言ったのには笑った。
アンコールのアンコールは『エーデルワイス』だった。


  Edelweiss, edelweiss,
  Bless my homeland forever


公私ともにいろいろあった2011年の締め括り、最後のフレーズが心にしみた。



…遡って朝の風景。
マンションの西側からの日常の景色。


朝、走る代わりにソフトバンクショップまでロードバイクを走らせる。
ソフトバンク日本一記念のトートバッグをもれなくプレゼントと携帯にメールが来たのだ。
こんなトートバッグでした。