09/11/19 愚か者の忠告と思って…。

人は他人の病気について実はあまり関心がない。
当たり前のような気がする。
僕もアメーバ腸炎になるまで消化器系の病は他人事だと思っていた。
いまでも十二指腸潰瘍やC型肝炎(消化器系ではないが)のことをちゃんと知らない。
ましてやパーキンソン氏病やハンチントン舞踏病の人の気持ちに親身になったことがない。
だから糖尿病のことについて他人が間違った知識を持っていても責める気にはならない。
糖尿病の原因は甘い物を食べ過ぎた報いである、とか、
糖尿にかかるといずれ失明して足を切断する、とか、
インシュリン注射は一度打つと一生打ち続けねばならない、とかの先入観。
曲がりなりにも入院期間の一ヶ月、院内の糖尿病教室で勉強した。
新書の類も何冊か読んだ。
他人事ではなくなったからだ。
それでわかったことは僕は稀な種類の患者であったということ。
たいていの人は長期間に渡ってじりじりと血糖値が上昇して持続する。
180とか250とかの数値で自覚症状はほとんど無い。
僕のケースは2ヶ月くらいの間に急激に上昇、いっきに500近くまで上がった。
多飲多尿、倦怠感、視力にも異常を感じ、体重の減少、筋肉崩壊が始まった。
恐ろしい話だが急性であったため幸いにも血糖値が高い時期は短くて済んだ。
糖が血に流れ出し血管を傷つけていた時期は短期間だったのだ。
早めのインシュリン注射が功を奏したのだという。
しばらく膵臓を休めたら機能を取り戻した。
以来、血糖値は安定している。


でも、ほとんど大多数の糖尿病はゆるやかに進行する。
血糖値が200と言われても、健康診断に糖尿病と書かれても何の自覚症状もない。
そう痛くもかゆくもないから当然タカをくくる。
「オレ糖尿の気があるんや」と血糖値を下げる治療をしようとしない。
3年、5年、10年と放置する。
いつか時限爆弾(腎臓病、網膜症心筋梗塞などの合併症)が同時に爆発する。


昨日、編集スタジオでCG担当のY(40歳代)と打ち合わせをした。
パソコンの傍らに甘い菓子パンが置いてあった。
「あ、こんなもん食べて」とからかうと彼は笑って「糖尿なんですよ」と言う。
届いたばかりの健康診断の結果を見せてくれた。
唖然とした。
いや、マジで。
空腹時血糖値が200を超えていた。
それより驚いたのはHbA1cの数値。
9.2だった。
糖尿病に詳しくない人にはピンと来ないかもしれない。
HbA1cヘモグロビンA1c(エイワンシー)、遡って4ヶ月ほどの平均血糖値がわかる値。
ちなみの今の僕は5.3から5.6、正常値は4.3-5.8だ。
参照 http://hb-a1c.com/hba1c-score.html
9.2は明らかに合併症併発の危険水域です。
教室で聞いた話では高齢の人は6〜7でも入院した方がよいとのこと。
Yの健康診断結果は3年分の数値が記してあった。
彼は少なくとも3年前も血糖値170以上、1年前にHeA1cが7を超えている。
危険な数値は年々上昇しているのだ。
所見には「糖尿病です。治療を受けて下さい。」とある。
脳梗塞になったEさんもこんな感じだったのだろうか。
突然、失明しても不思議じゃないよ、と脅かす。
Yは「こわくなってきた」と言う。
面白がって脅かしてるんじゃないよ。


少なくとも3年前から…!
会社は何も言わなかったのだろうか。
案外、世の中には彼のような患者が多いのかもしれない。
自分も糖尿病のくせにエラそうに、と思われるかな。
この5年間、血糖値は上がっていない。
僕は幸いにも急性だったから早期治療が功を奏しただけかも知れない。
管理栄養士のヒロに言わせると、これだけコントロール出来てるのは珍しいとのこと。
(大量の野菜を食べさせてくれる彼女のヘルプも大きい)
医師にも誉められる。
でも、いったんは壊れた身体、常時監視は不可欠だと思う。
たいていの自己コントロールはいつか破綻する危険がある。


Yに告ぐ。
今の状態、今の数値で自己コントロールは無理です。
痛みもないだろうしマラソンも出来るみたいだし、自己感覚では治療せねば、とは思わない。
糖尿病で昏睡寸前になった愚か者の忠告として聞いて下さい。
一刻も早く総合病院の内科へ行って欲しい。
目の検査もすべきだと思う。
そして、速やかに血糖値を下げること。
医者によっては飲み薬を勧められるだろうがインシュリン注射のレベルかも知れない。
少しは痛みを伴った方がいい。
(実際のインシュリン注射は痛くもないが)
おそらく、たぶん十中八九、入院しなさいと言われる。
入院するべきだと思う。
一番大事なのは血糖値を高いまま放置しないこと。
NO PAIN NO GAIN(痛み無くして前進なし)です。


…朝9時近くに起きる。
ヒロがゴミ捨てに出て行った。
機嫌が悪い。
体重71.90キロ。


午後から駅伝アバンのスタジオ編集。
夕方までに終えて出ると風が冷たく寒い。
A部氏に連絡がつかない。
『森ん家』のカウンターで久々に独酌。
他に客は一組だけ、珍しく空いていた。
『きもとのどぶ』生酒をぬる燗を半合。
お通しは京芋の唐揚げ、美味しい。
鰤の照り焼き、米茄子と合鴨のミルフィーユ温玉添えを注文。
ここの料理は一人前だとちょっと量が多いな。
久留米の『独楽蔵』のひやおろしの冷えたのを半合。
ひやおろしはマイルドで飲みやすいけど正直物足りない。
万人向けなのかも。
3杯目は同じ『独楽蔵』の5年古酒を熱燗で。
クセは強いが旨い。


店の女の子も感じがいいし、お酒も料理も美味しかった。
でも、普段使いの独酌にしては上品過ぎたか。
飲み終えてから、今夜僕が食べたかったのはこういうのじゃなかった、という感覚が残る。
そういう時ってありませんか?
酒屋の立ち飲みで本搾りチューハイと魚肉ソーセージでも食べて帰れば良かったかな。
旨いもの飲み食いして面倒なやっちゃ。


ヒロはグラチャンバレー観戦。
日本はエジプトに勝ち2連勝。