2011/7/18 苦しいときは私の背中を見なさい


                      ※準決勝スエーデン戦のCNNのWEBニュース


決勝を生で見ることは諦めていた。
全英オープンの最終日を見て、『タモリ倶楽部』のエロ川柳で笑ってたら2時を過ぎ眠くなった。
ストレッチをしてエアコンをオフって寝る。
ところが6時過ぎだったろうか、目を覚ますとヒロがテレビをオンにしていた。
BS1の実況アナが「ワールドカップ決勝はこれから延長戦に突入です」と言う。
もちろん起きてテレビの前に座る。
3時間寝ただけだが見ないわけにはいかない。
わたしたちの戦いを見なさい、と澤が僕らを起こしてくれたのだと思っている。


延長前半、アメリカの怒濤の攻めを初めて目の当たりにする。
防戦一方のなでしこジャパン、そしてエースに決められた。
アメリカ勝ち越しのゴール、アレックス・モーガンアビー・ワンバック
澤の表情がカットバックされる。
落ち着いている。
焦りはない。
北京五輪で劣勢のとき、宮間あやが「苦しい時は私の背中を見なさい」と
澤に声をかけられたというエピソードを思い出す。
「私の背中を見なさい」
しびれる。
泣ける。
なでしこイレブンはいま澤の背中を見て闘っている。
そして、宮間のコーナーキックに澤が飛び込んだ。
宮間あや澤穂希、奇跡のような同点ゴール!
ゾクゾクと鳥肌が立つ。


それからは心拍数が100以上に上がったまま歓喜のフィナーレへ疾風怒濤の物語。
印象に残ったのはPK戦での宮間の落ち着きっぷり。
腕白なガキ大将のような風貌の小兵は涼しい顔でゴールを決めた。
実況アナは遠藤のようだと言い、新聞は女俊輔だと書く。
風貌は全く違うしタイプも違うのだが、僕はブレーメを思い出した。
90年代の西ドイツの名選手。
イタリアW杯の決勝、重圧のかかるペナルティキックを顔色変えずに決めた。
当時の実況アナが、心臓に毛の生えた、と形容した。
冷徹な独軍下士官のような男だった。
もう一人印象に残ったのがサイドバックの鮫島と近賀。
鮫島を見た時、バレーの木村沙織を思い出した。
素晴らしいセンスと運動能力を持ちながらどこか女性的でなよなよっとした動き。
まったく力強さを感じないのに第一線でプレー出来る。
一方、宝塚のトップスター(男役)のような近賀のオーバーラップ。
バラエティ豊かな面白いチームだと思った。


ワールドカップ、世界最高の舞台での戴冠。
丼さんのブログ経由で「風の谷のナウシカ」に出てくる予言との類似が
ネットで話題になっていることを知る。


  その者青き衣をまといて金色の野に降りたつべし。
  失われた大地との絆を結び、ついに人々を清浄の地にみちびかん


汝の名はホマレ・サワ
彼女の神話的な活躍と一枚の写真が実感をもって迫る。
   
   


世界のニュースも“震災の国”が優勝した奇跡を報じる。


サッカー世界一という奇跡のような出来事。
でも女子サッカーの出場国は北朝鮮は別にして大国、先進国に限られているように思う。
いまどきこんなことを言うのは時代遅れかもしれないけど、
男女同権、女性の権利を認められていない国も多いのだと痛感する。
中東やアフリカ勢の女子サッカーを見たことがない。
アフリカはあるんだろけど。 


アメリカのイレブンを見ていて思った。
ヒスパニックや黒人、あるいは東欧系かと思っていたが違う。
ほとんどが白人で良家の子女っぽい娘ばかりだ。
ボール一つで出来るサッカーなのに女子サッカーは中流以上、富裕層のスポーツらしい。
しかもどちらかというとリベラルな民主党支持層が主体という。
だからオバマが家族で応援してるところをあえて露出するのだ。
眼鏡堂さんもラジオでそんなことを言ってた。


最後に20歳の熊谷沙希がPKを決めた。
歓喜のイレブン、国際映像はアメリカの背番号13をとらえた。
哀しくも美しい敗北の瞬間。
決勝戦1ゴール1アシストのアレックス・モーガン
この直後、宮間が駆け寄りハグした。


眼鏡堂氏もイチオシの才色兼備。
アレックス・モーガン
去年冬の英国カーリングチームのイブ・ミュアヘッド以来の収穫でしょうか。
モーガンという姓からモルガン財閥を連想する。
やっぱり富裕層!


僕の推しは日本なら岩渕、川澄、丸山、鮫島、近賀。
カッコイイのは沢と宮間とGKの海堀。
アメリカもGKのホープ・ソロモーガン
ワンバックの凛々しい風貌はベストセラーの小説家を思わせる。
パトリシア・コーンウェル似?
アビーって名前が好きなんです。


佐々木監督はヒロと同い年。
ザックジャパン岡田ジャパンと同じように佐々木ジャパンと呼ばれるはずが、
なでしこジャパンというキャッチが先行、定着したために憂き目にあう。
ま、本人は佐々木ジャパンと呼ばれることを望んでいるとは思わないが。


…ワールドカップに先立って見たゴルフの全英オープン最終日。
上位の顔ぶれを見ると今年は老けたオヤジ顔が目立つ。
優勝したのはダレン・クラーク、北アイルランドの42歳。
全英は20回目の出場にして初優勝の苦労人。
この人のことは全く知らないのに見ていて涙が出そうになる。
すごくいい顔なのだ。
男の顔は美醜ではない。
積み重ねた歳月が顔を作るのだ。
老け顔のクラークを見てそう思った。