2011/11/11 ゴルトベルク・バリエーションズ

夜には雨が上がり、満月が出る。
きりっと冷えた空気に月齢15.3の月光が冴える。
自転車で西宮北口まで走る。
芸文センターでクラシックのコンサート。
お気に入りの小ホールです。
今はネーミングスポンサーがついて神戸女学院小ホールという。
(ちなみに大ホールはKOBELCO大ホール、中ホールは阪急中ホール)
理由あってヒロが行けなくなったのでセルジオを誘う。
セルジオも小ホールの素晴らしさに驚く。
でしょ?


ケネス・ワイス チェンバロ リサイタル@兵庫県立芸術文化センター
ポスターは津田ホールのものですが内容は全く同じです。
ゴルトベルク変奏曲
休憩なしの80分一本勝負です。


おそらく生では初めて聞くチェンバロという古楽器
グランドピアノを3分の1くらいにした感じ。
開演前にもずっと調弦している。
繊細な楽器なのだろう。


ケネス・ワイス氏登場。
姿勢がいい。
長身なのでチェンバロがより小さく見える。
ゴルトベルク変奏曲、最後まで寝落ちせずに聞き通せるか?


有名なアリア。
変奏曲の『主題』の提示だ。
グレン・グールドのCDで何度も聞いた美しいサラバンドの調べ。
チェンバロの音色は、なんというか、音の粒、粒子である。
ケネス・ワイスの鍵盤を叩く手から音の粒が空気中に浮遊していく感覚。
聞けばチェンバロは音の強弱がつけられないのだという。
ピアノのようなペダルもない。
感情をこめるのは至難の技なのだろう。
ちまちま弾いているように見えるがケネス・ワイスは汗びっしょりだ。


ゴルトベルク・バリエーション。
主題から第1変奏に入る。
一転してスピードアップする。
これが『主題』のバリエーションなのだろうか?
ヨハン・セバスチャンの頭の中はどうなっているのか。


第1変奏から30変奏まで続く。
チェンバロの音の粒が小ホールに満たされる。
密度が濃くなって音素爆発寸前となったとき、再びアリアが流れる。
終わった。


You-Tubeにケネス・ワイスのいい音の動画がなかった。
キース・ジャレットゴルトベルク変奏曲のアリアです。
チェンバロとはどんな音か、はわかる。
     


おそらく一生分のチェンバロ生演奏を聴いた。
鳴り止まぬ拍手。
アンコールでバロック調の曲を2曲演奏してくれた。
チェンバロのことは知らないけど超絶技巧であることはわかる。


僕はチェンバロのGoldberg Variations BWV988を聞き通した。
いいコンサートだった。


ホールからテラスに出られる。
セルジオに煙草をもらって一服する。
今日は朝から大仕事があったので煙草がおいしい。
見上げれば西宮の夜空に望月。


ちなみにゴルトベルクとは人の名前。
ゴルトベルク変奏曲不眠症のためにバッハが書いた曲。
Wiki にこうある。


  「アリアと種々の変奏」と題されているが、バッハが音楽を手ほどきした
   ヨハン・ゴットリープ・ゴルドベルクが不眠症に悩むカイザーリンク伯爵のために
   この曲を演奏したという逸話から「ゴルドベルク変奏曲」の俗称で知られている。
   しかし、演奏には高度な技術が必要で、当時ゴルトベルクは14歳の少年であったこと
   などから逸話については懐疑的な見方が多い。
   もともとチェンバロの曲であったためピアノが主流となった時代から20世紀初頭まで
   演奏されることは少なかったが、チェンバロの演奏を20世紀の音楽として復活させた
   モダンチェンバロによるワンダ・ランドフスカの録音の評価が高く、
   長らく定番となっていた。
   20世紀後半になってグレン・グールドがデビューアルバムにこの曲を選択、
   レコード会社の反対を振り切ってピアノ演奏の録音盤を1955年に発売し、
   世界的なセンセーションとともに一躍著名な曲となった。
   グールドは1981年にこの曲を再録音し、その翌年、50歳の若さで急逝したことで、
   再びこの曲に注目が集まった。


グールド晩年のアリア。美しくも哀しい音の粒子。
僕が年老いて、命の火が消えそうなとき、このアリアを聴きながら逝きたい。
   


セルジオと北口で少し飲む。
(今はニシキタというのだ)
残念なことに気に入っていたキノシタが店を閉めてしまった。
Y's Barという飲食店ビルの地下にある店に入る。
静かに飲みたい。
やっぱり大人はバーでしょ。
ギネスハーフとオールドグランダッドを飲む。


西宮北口のLED(発光ダイオード)の川。
イルミネーションは見上げるだけではない。


帰宅してもう少しだけ飲む。
今日は疲れた。
巨人のクーデター?
明日から日本シリーズが始まる。


…きょう11月11日は特別な一日。
窓から見た印象的な風景、雨に煙る甲山です。