2012/3/19 映画三昧+蕎麦酒

自転車で神戸へ行き、映画を3本観て、灘温泉につかり、
西宮北口に自転車を置き、阪急電車で池田へ行き蕎麦酒。
ロードバイク走行距離40キロ。


自宅から三宮まで16キロ、ほぼ10マイル。
ロードバイクなら30分で行けるはずの距離なのにいつも小一時間かかってしまう。
ちょっと遠回りになっても必ず走るのが摩耶埠頭あたりの海沿いのボードウォーク。
岩屋の美術館前あたり、ここらあたりは場所はなんて言うのかな? 脇浜?
今日みたいに晴れた朝にこの道を自転車で走るのは本当に気持ちいい。



先ずは『最高の人生をあなたと』@リーブル神戸
登場人物の一人の台詞にある。
「いまや人はなかなか死なない。世の中は老人だらけだ。」
『最高の人生をあなたと』は第二の人生を始めようとする60代にさしかかった夫婦の物語。
原題は『Late Bloomers 』遅咲きの花々、こっちのがずっといい。
建築家の夫をウイリアム・ハート、元教師の妻をイザベラ・ロッセリーニが演じている。
予告編 http://www.youtube.com/watch?v=Z9fFrcbLC5U
       


映画に登場する年寄りたちの会話が面白い。
アイロニーと自虐。
一戦に復帰しようとするウイリアム・ハートに同年配の仕事仲間が言う。
「ビヨン・ボルグを知ってるか。あのボルグが無名の選手に負けた。復帰は無謀だ。」(正確ではありません)
その友人の身体はボロボロだ。
心臓にはペースメーカー、歯は入れ歯、膝は人工関節。
「まるで『600万ドルの男』だ。いや、『フランケンシュタイン』かな」
世代を感じさせるキーワードが面白い。


夫婦役の二人、ウイリアム・ハートを久しぶりに見て嬉しかった。
柔和な目、やさしい笑顔、包み込むような雰囲気をもった好きな俳優だった。
80年代、『蜘蛛女のキス』で有名だが僕は『愛は静けさのなかに』が印象に残っている。
養護学校の若き教師役だった。
聾唖の女性を演じ、実際にろうあ者だったマーリー・マトリンは本当に美しい女優だった。
ああ、懐かしき1980年代だ。
ブログ『特別な一日』にも書かれていたがイザベラ・ロッセリーニは可愛いおばちゃんだった。
http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20120315/1331808489
そう、ふくれっ面や首のしわさえもチャーミングだ。
彼女を見ているとつい母、イングリッド・バーグマンの面影を探してしまう。


見ていて自分よりずっと年上の人たちの話だと思っていた。
が、映画の設定では彼女は59歳だった。(実際のロッセリーニも59歳のようだ)
僕と4つしか変わらないではないか!
ふだん僕は自分より10歳も20歳も若い人たちと仕事をしている。
彼ら彼女らとそんなに変わらないのではないかと錯覚しているのだ。
人間と家族のように暮らしているイヌが自分のことを人間だと思っているのと同じだ。


コピーにあるように苦く甘いけど(ビター&スイート)、いい映画でした。
キューバ音楽だろうか。
明るい音楽が暗くなりがちなテーマを楽しく彩る。
監督はジュリー・ガブラス、あのコスタ・ガブラスの娘さん。
コスタ・ガブラスかあ。
好きな監督だったなあ。
イブ・モンタンの『 Z 』、ジャック・レモンの『ミッシング』、デブラ・ウインガーの『背信の日々』…。
二十代の頃、この手の政治的な映画ばかり見ていた時期があった。
ジャーナリストにあこがれていたのだ。



2本目は『フラメンコ・フラメンコ』@リーブル神戸
12:15に始まる回はけっこう混んでいた。
とはいっても5割くらいの入りですが。


フラメンコ、とにかくフラメンコ、フラメンコ、フラメンコの洪水。
ドキュメンタリー映画とあったので、フラメンコの歴史とかフラメンコの今とかの解説があるのかな、と思っていた。
フラメンコ以外の何も無し。
100%フラメンコ。
割水なし、フラメンコの生一本、フラメンコの蔵出し原酒。
ナレーションは一切無い。
フラメンコの踊り、演奏、歌が21幕。
圧巻というほかない


2月にこの映画館で予告編を見た。
『サラの瞳』を観たときだったか。
全身鳥肌!
一発でノックアウトされた。
ディスイズ フラメンコ。
これがフラメンコだ。
あわわわわわ。
わかったか?
わ、わ、わかりません。
だったら映画を見ろ!
は、は、は、ハイ、み、見ます。
それほどに迫力と説得力をもった映像と音楽だった。


スペイン フラメンコ界のスターが勢揃い、なんだろうな。
みんな目の力が強い。
勝負している顔だ。
とにかく101分、圧倒されていた。
知った名前はギターのパコ・デ・ルシアだけだったが僕の知らない他のミュージシャンも全員いい。
ハズレは誰もいない。
最初に踊った赤いドレスの女性は鳥肌もの。
踊り、手拍子、ギター、フィドル、ピアノ、群舞、アカペラ。
あらゆるものがフラメンコなんだ。


ヨーロッパとジプシーとアラブの融合。
レイドバック風味のレゲエとは真反対のインパクト。
前に来ます。
見る者の鼻面に迫ってくる感じ。
ギプシー・キングスあたりを好きな人は必見です。


で、ちょっとしょうもないこと考えてましたシリーズ。
フラメンコの動きはますだおかだの岡田のすべりアクションに似てないこともない。
もう一つ。
フラメンコのギターやピアノの奏者は二人に一人がプジョル風。



2本目と3本目の間が50分あるのでランチタイム。
久々に三宮センター街の『吉兵衛(よしべえ)』へ行く。
もちろんカツ丼と味噌汁である。


お、値上がりして600円になってる。
ここのカツ丼は大阪のインディアンカレーと並んで僕のソウルフードです。
メニューにソースカツ丼味噌カツ丼もある。
カツ丼一本で勝負出来るのにね。
あ、支店も出来たらしい。
僕が神戸へ出てきた25年ほど前は5人くらいしか座れない小さな店だった。
今も同じ大将が自らカツを揚げ卵を割ってカツ丼を作っている。
彼も僕もあのころは20代だった。
ずっとカツ丼作ってたんだ、思うと感慨がわく。
自分にはそういう一本気なところがないのでうらやましい人生だなと思う。



3本目は『おとなのけんか
ちょっと前にはフラメンコの洪水だったが、これは英語の洪水だ。
とにかく2組の夫婦、4人がひたすらしゃべりまくる。


多くは語らずひとこと言いたい。
サイコーです。
面白い。
くくく、と声を押し殺した笑いで満ちた映画だ。
そして、何度か声を出して笑った。
いいぞ、いいぞ、もっとやれ、と心でケンカをけしかけていた。
大ヒットした舞台の脚本らしい。
2組の夫婦しか出てこない。
その夫婦もアパートから出て行かない。
でも、まったく飽きない。


豪華キャスト。
ジョディ・フォスターケイト・ウィンスレットがときに敵、ときに味方となる。
プロレスのバトルロイヤルの風味。
予告編 http://www.youtube.com/watch?v=nwIhDJb8iqk


笑えます。
笑えるけど、笑えないなあ、と。
笑えば笑うほど、これは自分のことだ、と見る者は思う。
自分のことだから笑えるのだと気がつく。
自分が滑稽で悲しい存在だということを気づかされるのだ。
つらい。


一本1300円、3本で3900円。
見終えたらシネマポイントが貯まって3000を越えていた。
3本無料で見られる。


自転車で灘温泉水道筋店まで走る。
今日も源泉風呂は混んでいた。
体温くらいのぬるま湯につかる。
西宮北口まで走りガーデンズの駐輪場に停めて阪急電車で池田へ移動。
A部氏夫妻と蕎麦酒。
阪急池田駅前の『のあみ』という蕎麦屋で但馬の酒『竹泉』を飲む。


『竹泉』は兵庫県但馬は朝来の地酒。
知ってはいたがじっくり飲んだことはなかった。
兵庫県には、いや関西にもいい酒が多いですね。
9時半にお開き。
幸福な一日が終わる。


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《BACK TO 2011》
2011/3/19 愛と青春の宝塚@大阪  http://d.hatena.ne.jp/shioshiohida/20110320/1300585064
梅田芸術劇場で『『愛と青春の宝塚 〜恋よりも命よりも〜』を見る。
東京から眼鏡堂氏が一時疎開して、トイレットペーパーなどを買い出し。
連休で週末の関西は東京からの難民であふれホテルが満杯だった。
日本はそのままウエスタンシフトするのか?
1年前にそんなことがあった。
遠い昔のように思う。
状況は何も好転していないのに。