ぷよねこ減量日記 2009/5-2016/1

旧ぷよねこ減量日記です。2016年1月に新旧交代してます。

09/8/15 うつむく壮年

日本が連合国に降伏した日。
この戦争のことをいろいろと読み聞くにつけ思うこと。
この8月15日は僕の、今生きている僕らの運命を決めた日でもあったのだ。
たまたま読んだばかりの吉本隆明を描いたルポ(後藤正治 著)にこうある。
1944年、当時19歳だった吉本は山形県の米沢高等学校で学んでいた。
戦火激しく学徒動員を間近に控え、下宿に仲間が集まった。
将来、こういうものになりたいと思うものがあれば、と披露しあった。
仲間たちは皆お互い20歳まで生きることはないだろうと考えていたという。
そんな時代があったのだ。
吉本はその時、こう答えた。


 頭髪を無造作に刈った壮年の男が、背広を着て、両手をポケットに突っ込んだまま、
 都会の街路樹の下をうつむいて歩んでいく。俺は若しなれるなら、そんな者になりたい。
                           (吉本隆明『初期ノート』より)


どうせぼくらは20歳まで生きられない と吉本ら19歳の若者が思っていた。
そして、出てきた答えが、“うつむいて歩く壮年” だ。
戦後を代表する思想家らしい、と言えばそうなのだが…。
この日に“間に合わなかった”青年のことを思う。
1945年8月15日が、間に合わず、うつむく壮年にもなれなかった若者が数多くいただろう。
僕は、いま壮年で、街路樹の下をうつむいて歩くことが出来る。
晩秋、大阪の街路樹が色づく頃、ポケットに手を突っ込んでうつむいて歩いてみよう。
吉本隆明と戦争のことを思い浮かべて。


よくわからない8月15日の感慨。


…9時過ぎに起床。
最近では珍しく寝坊、覚悟の寝坊だ。
睡眠時間が短く、疲れがとれないのだ。
昨日に続き、今日も涼しい。
このまま秋になっても構わんよ。
でも、農家の人は大変かもしれない。


ニュース勤務が続く。
特番の疲労が1週間遅れで来ているのだ。
今週、デスク4連投なのに無理してプールへ行ったりしたのが堪えた。
隙あらば居眠りしてしまう。


夕食、みんなが出前にトンカツをとると言う。
禁断のカツを食らう。


世界陸上が、いや陸上の世界選手権が始まった。
今回はベルリン、織田裕二が作為的にテンションを下げているように思う。


今日も深夜タクシー帰宅となる。
あまり仕事はしていないのだが…。


去年の8月15日の日記を読む。
北京五輪の柔道で石井が金メダル、塚田真希が銀メダルを獲った日だ。


ピーター・バラカンの「Weekend Sunshine」の録音を聞く。
アレサ・フランクリンのライブ演奏が流れる。
曲はゴスペルの『Precious Lord Pt. 1 & 2』、場所は京都の「磔磔」である紹介する。


先週の日曜日に「磔磔」へ行った。
その時、セルジオオーティス・クレイのライブをここで聴いたと話してた。
オーティス・クレイ
僕はこのR&Bのシンガーを何のきっかけで知ったのだろう。
大学生の時、金沢で知ったのは憶えているのだがどうして聞くようになったかは定かでない。
LPは2枚持っている。
『愛なき世界で』と『ライブ・アゲイン』(2枚組)
2枚組の方は英語版いとしのエリー」が入っている。
70年代の日本での最初のライブがえらく評判になり、のちに伝説となったのではなかったか。

     


初めてこの人の歌を聞いて思ったのは、その“明解さ” だ。
歌のメッセージも、英語も、歌い方も、すべてが分かりやすかった。
邦題『愛なき世界で』は「Trying to live my life without you」
おまえなしで生きていこう、そいつは今までで一番辛いことだぜ、と歌う。


 I used to smoke
 Five packs of cigarettes a day
 It was the hardest thing
 To put them away
 I drink four or five bottles of wine
 I kept a glass
 In my hand all the time
 Breaking those habits was hard to do
 But nothing compared to the changes
 You put me through


 Trying to live my life without you babe
 It's the hardest thing I'll ever do
 Trying to forget the love we once shared
 It's the hardest thing I'll ever have


一日に5箱も吸ってた煙草、そいつを止めるのは辛いことだ。
一日に4本か5本のワインを空けてた。
手にはいつだってグラス(大麻?)があった。
そんな習慣をやめるのは難しいことだ。
でも、おまえなしで生きていくのに比べれば…。


すごく明解でしょ?
酔っぱらってカラオケで歌いたいくらい。

     http://www.youtube.com/watch?v=3hQ37rocXf8