2011/6/20 内憂外患がデフォルト

雨、暗い朝、嬉しくないけど梅雨本番。
朝刊を見て驚く。
クラレンス・クレモンズ死去、享年69。
あのEストリートバンドのサックス奏者、ブルース・スプリングスティーンの相棒だ。
ちょっと呆然とする。
数々のライブ映像やアルバム『明日なき暴走(Born to Run)』のジャケットを思い出す。

なぜだか理由はわからないが、ブルース・スプリングスティーンという存在は不思議だ。
80年代に黄金時代を迎えたミュージシャンなのに懐かしむべき対象にならないのです。
もちろん懐かしい存在として感じている人が多数派だとは思うけど…。
たとえば、80年代のベストヒットU.S.A.で同じ時代に流れた音楽、
ジャーニー、ホール&オーツ、エア・サプライ、リトル・リバーバンドは懐かしい。
普遍的である、とは思わないけどいつまでも同時代の人という印象がある。
相棒を失ったボス、淋しいだろうな。


…昨日書いた元タカラジェンヌとの海外ロケネタにコメントをもらった。
取扱注意!
元某映画社のますださんもかつて大変な目に遭ったようだ。
僕の場合は制作スタッフ内部に問題を抱えていたと書いた。
そう、言い訳になるけど僕は大きなハンディを背負って難敵のジェンヌと対していたのだ。
現地コーディネーターの人もすぐに状況を察して同情を寄せてくれたほどだった。
ロケ後もしばらくメール交換してお互いの健闘と讃え、いたわり合った。
こんなことをメールに書いた。


  だから、こう思うことにしました。
  仕事の80%は不測のトラブルに対応することなのです。
  泥沼にハマった車を出したり、こんがらがった釣り糸を解くような作業。
  仕事の正味の部分は実は2割くらい。
  経験値でそう思います。


仕事って内憂外患がデフォルトなんだと思う。
加えて不測のトラブルは必ず起こる。
いや、悲観論でなしに一般論。
誰だかわからない人間が出てきて横やりをいれてきたり、
無能なスタッフが編成されたり、営業がとんでもないノルマを引き受けてたり。
誰かの都合でスケジュールが突然変更になる。
整然と並んでいたスケジュールが無意味になる。
うんざりする。


内憂外患がデフォルト?
新社会人や順風満帆な人にとっては悲観的過ぎると笑われそうですね。
内憂も外患もないならラッキーと思う?
いや、僕は疑いますね。
これは罠だ、なにかある、と。
特にオリンピック中継を含めた海外での仕事。
一日2時間以下の睡眠が何日も続くことが普通にある。
残業の大部分はトラブルバスター。
ボロボロになっても仲間がいれば、ま、順調やね、と軽口を言う。
ハードボイルド小説みたいに自分に酔う。
疲労感とともに懐かしさがこみ上げる。


…デスク3連投の最終日。
午後イチでゴルフ中継の打合せ。
ニュースデスク仕事は楽チンなのだがゴルフのVTR編集に身が入らない。
追い込まれたら何とかするよ、と開き直っている。


夜10時前、仕事に切りをつけ引き揚げようとしたら『DEEP PEOPLE』が始まった。
殺陣師の深いトーク、面白い! 見始めたら止まらない。最後まで見てしまった。
登場した二人の殺陣師 、その流儀の対比が面白かった。
かたや、あらゆる武術に通じリアルを求める林邦史朗。
かたや、老舗東映時代劇の清家三彦、見映えのよい美しくてカッコイイ殺陣を指向する。
まったく違う二つの流儀、どちらも背筋がぞくっとするほど説得力がある。
斬った直後の決めポーズ、これを殺陣では心を残すと書いて「残心(ざんしん)」と言う。
リアルの林、相手を斬ったあと反撃を受けないようにすり足で3歩以上下がって「残心」
しかも刀を下に向けておく。なぜか? 倒れている相手の捨て身の一太刀を払うためだ。
その一太刀を払って、心臓か首にとどめを刺せるように。
林流は「残心」までがリアルだ。
見映えの東映清家スタイル、主役の仲間が多勢と斬り合っている。ヒーローが助太刀に入る。
派手にチャンバラを繰り広げたあと「残心」直前の一太刀は二人の動きを必ずシンクロさせる。
同じ動きを決めて、背中を合わせ、互いの目を見てうなづき合う。
助太刀、かたじけない。(まさに助太刀!)
うわカッコイイ、これだよなあ、と笑ってしまう。
歌舞伎の型に通じるものがある。
松方弘樹のお父さん近衛十四郎は殺陣の名人。
人より長い刀を使った見映えのよい立ち回りは今も伝説となっている。
でも、やっぱり感動したのは斬られ役の妙技。
どんなに主役が大根でもそれらしく見せてしまうのは彼らがあってこそ。


…雨の止み間に駅から自転車で帰宅、日付変更線を越えていた。
ヒロが昔放送した『DEEP PEPOPLE』の宝塚トップスター編をDVDに焼いてたのを思い出す。
2時過ぎてるのに見てしまった。
客席への目線の投げ方についてのトーク。
ぼんやりと客席一帯を見ることによって、「私を見てくれている」と思わせていた安蘭。
真琴つばさは「今日はこの人を自分のファンにさせよう」と、特定の人を見つめる“一本釣り”、
春野は、客席をあえて見ず、クールに装うことで観客にときめいてもらう自己演出。


先日の宙組公演、トップスターの大空祐飛さんと目線があった、と思う。
お、こんな特等席におっさんがいる! と驚いたのだろうか。
それ以来、銀橋(オケピと客席の間の)に来るたびに一瞥されたような、気がする。
熱烈なファンからすれば許せないほど至福の瞬間だろう。


深夜、iTune Storeで純名里沙の曲を購入する。
「ストレンジャー・イン・パラダイス」と「ぴあの」
テレビ小説の主題歌『ぴあの』は久石譲だったことを思い出す。


この歌唱は見事です。(埋め込み不可ですが)


夜中に閃光、雷鳴が低く恐ろしげに轟く。