明け方の豪雨に涼しくなるかと思ったが、返って蒸し暑さが戻る。
お昼12時台のサンダーバードで金沢へ向かう。
湖西の風景をぼんやりと見ながらiPodでジャズを聴く。
曇り空、くすんだような夏の終わりの緑と灰色の湖面。
稲の穂が黄色く色づいている。
いつのまに? と自分に問いかけても青かった季節も知らない。
福井を過ぎた頃、お目当ての店に予約の電話をする。
今日の夜はすでに満席、明日のお昼は空きがあるとのこと。
A部氏と連絡をとると明日の昼でも行きましょうとのこと。
もう一度、お店に電話する。
すると今日の夜9時以降ならば空きがあるとのこと。
それで行きましょう。
お願いします。
金沢に到着。
モダンな駅、ここに来るたびに書くが浦島太郎のような気分。
僕の知っている金沢駅は跡形もない。
1980年から5年に渡るソビエト占領、続く解放戦争で以前の駅は跡形もなく消えた。
スターバクス、ユニクロ、マクドナルド、TSUTAYA…。
戦前からの店は構内の「白山そば」だけになった。
シネコンの入ったビルの食堂街にある回転寿司に入る。
今夜は鮨だがそれでもいいのだ。
金沢は回転鮨でもレベルが高いと言う。
関西にあるチェーン店も値段を考えれば決して悪くはないのだけど。
この「もりもり寿司」は当たりだった。
日本酒も石川の地酒の品揃えも悪くない。
夜ここに来てもいいなあ、と思わせる。
赤いか、ガス海老、ウニいくら軍艦巻きとグラスビールで軽めに済ませる。
ドーミーインにチェックインして温泉につかる。
…A部氏と合流。
タクシーで香林坊へ出る。
選挙戦ラストスパート。
香林坊交差点で民主党の候補、片町で自民党の候補が最後のお願い。
自民の候補は馳浩だった。
パブ『倫敦屋』で鮨屋までのウエイティング。
重厚なバーカウンターでスタウトを飲む。
石川鉄道の野町駅まで歩く。
さみしい場末の終着駅。
学生時代はこのあたりに2年ほど住んでいた。
電車に乗り込む。
向かいの席のおじさんが漫画を読んでいる。
ラズウエル細木『酒のほそ道』だ。
野々市の駅前にタクシーはいなかった。
いや、そもそも駅前なんて場所がない。
国道まで出る。
幸いにも流しのタクシーを拾うことが出来た。
住宅街にある『すし処めくみ』
遅い時間に飲み始める。
ビール小瓶、続いて『獅子の里』という山中温泉の純米酒の燗。
鮨と相性がいい、というか普通に旨い。
まあ、堪能しましたよ。
居心地も抜群だった。
贅沢しました。
焼き海苔さえも極上。
ベストはのどぐろの塩焼き。
のどぐろってこんなに旨い魚だったんだ。
(それでも今は旬をはずしてるという話)
小柄な大将に全国の鮨の名店を教えて貰う。
唐津、北九州、広島、岡山、大阪…。
聞いているだけで旨い。
堪能。
デジカメで写真を撮るのも忘れた。
というか、写真なんて撮ってる気分じゃない。
ただ堪能。
同時に贅沢を戒める。
背徳の美食。
一人19000円也。
行った人ブログ、極上鮨を写真でお楽しみ下さい。
http://ameblo.jp/hime-ameblo/entry-10214148208.html